研究について

本研究室では、生物統計学(biostatistics)の教育・研究をしています。生物統計学は、医学・生物学領域で生じる科学的な問いに適切に答えるために、データの収集や解析に関する体系的な方法論を提供する学問分野です。アメリカでは医学・生物学領域の統計家やデータサイエンティストは非常に人気のある職業の1つですが、日本においては歴史的に統計学部や統計学科が存在してこなかった経緯もあり、ニーズに比して生物統計家は大きく不足している状況です。

研究としては、主として人を対象とした疫学研究(epidemiologic study)や臨床研究(clinical study)に関する方法論の研究と、それらに統計家として参画する共同研究を行っています。疫学研究は、地域社会等の特定の集団を対象として、病気の発生の頻度や分布を調査し、またその原因を明らかにすることを目的とした研究です。臨床研究は、何らかの病気を有している患者集団を対象として、治療効果の検証、合併症等の予測、診断法の評価など、臨床医学上の課題を解決することを目的とした研究です。

方法論の研究では、統計的因果推論(causal inference)を専門としています。治療法のランダム割付を伴うランダム化比較試験と異なり、観察研究においては治療・曝露とアウトカムの両者に関連する第三の要因による交絡と呼ばれる現象が治療効果を推定する際に大きな問題となります。交絡調整に関連したテーマとして、操作変数法に関する研究、直接効果・間接効果に関する研究、人口寄与割合に関する研究、時間依存性交絡の調整に関する研究、因果モデルのモデル選択に関する研究等を行っています。その他、臨床試験の用量選択に関する研究、ヒストリカルデータの活用に関する研究も行っています。

共同研究においては、臨床研究や疫学研究における統計家としての参画を通じて、これまでに170本以上の国際医学雑誌の査読付き原著論文を発表しています(2019年5月現在)。
教育面では、共同研究や統計コンサルテーションへの参画を通じて統計家としてのトレーニングを行うとともに、関心のあるテーマにおいて共同研究の楽しさを味わい、現実の疫学・臨床医学が直面する新たな統計的課題を新しい研究デザインやデータ解析の方法論研究につなげることを意図しています。

大学院生

折原 隼一郎(博士課程1年)
興梠 陽介 (博士課程1年)
天本 友梨香(修士課程1年)
川村 大志 (修士課程1年)
福井 大介 (修士課程1年)

学部生

荒井 里枝子(3年)
石井 亮丞(3年)
張 馨心(3年)
鈴木 翔子(3年)
武藤 航二郎(3年)